最近購入した本(2025年12月)

 2025年9月〜12月に購入した本。新書・文庫祭。

佐宮圭  2024 『男装の天才琵琶師 ── 鶴田錦史の生涯』、朝日新聞出版。

 十数年前に出版されたノンフィクションが改題の上で文庫化。多くの人にとっては《ノヴェンバー・ステップス》の奏者として知られている鶴田錦史だが、まさにその《ノヴェンバー・ステップス》の話から始まり、そこに至るまでの人生が振り返られる。音楽的な記述はそれほど多くない気がする。

アイリーン・M・ペパーバーグ 2020 『アレックスと私』、早川書房。

 正月に帰省した際に読もうと思って購入し、鳥を眺めながら賢い鳥の話を読む。研究成果として発表された言語的能力以外にも、きわめてコミュニケーション能力に長けていたことが語られている。悲しい話から始まる構成になっているため、読み終わって悲しい気持ちになることが抑制されるという配慮もある。

石黒圭 2020 『段落論 ── 日本語の「わかりやすさ」の決め手』、光文社。

 今年度から初年次教育でパラグラフ・ライティングの要素も扱うため、段落に対して神経質になっている状況においてこの本を発見。マニュアル的な解説というより、豊富な事例を丹念に分析していくアプローチとなっているため、指導法という観点でも参考になりそう。

小牟田哲彦 2024 『日本鉄道廃線史 ── 消えた鉄路の跡を行く』、中央公論新社。

 北海道や九州を中心に鉄道の廃止が急速に加速しつつある現在、廃線が地域社会にとっていかに問題とされるかは、全国を探訪したい身にとっても避けて通れない。本自体は地域ルポタージュ集のような体裁になっているが、地図や写真が豊富に載っていてとっつきやすいように思われる。

久野愛 2025 『感覚史入門 ── なぜプラスチックを「清潔」に感じるのか』、平凡社。

 バーチャルに関する章を読んでみたくて購入。それだけでなく、特定の感覚だけでなく五感を満遍なく扱っている入門書としても貴重な気がする。しかしその分、前提とされる知識水準はやや高いかもしれない。

植原亮 2025 『科学的思考入門』、講談社。

 非常に高い評判をどこかで耳にしたため早速購入。科学的に思考するための規範的な解説に留まらず、人がどうやって論理的に思考しているかを平易に記述している様子。組版が参考書みたいになっていたり、参考文献一覧がブックガイドを兼ねていたりする工夫も興味深い。

原真 2025 『音と光の世紀 ── ラジオ・テレビの100年史』、集英社。

 日本のラジオ・テレビ史についてざっと頭に入れておくのに重宝しそうな本。(自分が知る限りの)類書に比べると番組名などコンテンツに関する記述が豊富で、年表を描くような感覚で読むことができる。ただし参考文献の載せ方が粗いため、芋蔓式に資料を掘るのにはやや適していない。

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