2025年7月に購入した本。今月は和書の新刊をまとめ買い。
ドン・アイディ 2025 『技術哲学入門 ── ポスト現象学とテクノサイエンス』、稲垣諭、増田隼人、沖原花音(訳)、晶文社。
現象学とプラグマティズムの融合という理論枠組には正直ついていける気がしないが、とはいえ既存の技術哲学の和書とは毛色の違う基本書になるだろうということで頑張って読みたい。音界隈では Listening and Voice: Phenomenologies of Sound (1976)の著者として知られており、院生の頃ドン・イーデだと思っていて何かの拍子に「どうもドン・アイディらしいよ」と聞いたというどうでも良い思い出もある。
松村誠一郎(編) 2025 『音楽制作 ── プログラミング、数理、アート』、コロナ社。
コロナ社から出ている割と硬派なシリーズの一冊で、しかも音響分野だけで10冊中4冊目という力の入りよう。内容はというと、タイトルから多くの人が想起しそうなDAWの話はほぼなく(でもなぜかTrackerに一節割いていたりもする)、アカデミックなコンピュータ音楽の系譜を意識した感じになっている。しかしながら、かつてはこれこそがコンピュータ音楽の主流だったはずだが、今こうしてまとめられたものを眺めると、むしろ「主流の音楽」に対するオルタナティブを提示しているようにも見える(実際、音楽よりもメディアアートに括られる方が相性が良いだろう)。とはいえそうした構図も、AI時代に入ればまた変わってくるかもしれない。
永田大輔、近藤和都(編) 2025 『雑誌利用のメディア社会学 ── 文化を可能にする「工夫」』、ナカニシヤ出版。
雑誌は「読む」ものというより「使う」ものである、という、自分も論文の中でたびたび主張してきたことをまさに主題とする論集が出た。特に日高良祐「音楽データへのインターフェイスとしてのDTM雑誌」は、最近書いた論文と資料がもろ被りしてしまったため、これは何とかしなくてはならない(読書会とか?)。
ビル・ブルースター、フランク・ブロートン 2024 『そして、みんなクレイジーになっていく 増補改訂版 ── DJカルチャーとクラブ・ミュージックの100年史』、島田陽子(訳)、DU BOOKS。
ちょうど卒論を書くタイミングで出た原書を読み込んで、その後邦訳が出た時1に「なぜこのタイトル?」とひっくり返った思い出深い本(とはいえ、Last Night DJ Saved My Life を良い感じの日本語にするのは確かに悩ましい)。改訂にあたり副題が原書に寄せてある。
吉田寛、井上明人、松永伸司、マーティン・ロート(編著) 2025 『クリティカル・ワード ゲームスタディーズ ── 遊びから文化と社会を考える』、フィルムアート社。
ろくにビデオゲームをやらないくせに、議論はキャッチアップせんならんとばかりに入手。第1部の理論編はビデオゲームの話がほとんど出てこず、逆に第2部の事例編がビデオゲーム前提のようになっているというコントラストが興味深い。
0 Replies to “最近購入した本(2025年7月)”