2025年8月に購入した本。
川崎弘二 2025 『NHKの電子音楽』、フィルムアート社。
見るからに妥協のない情報の濃さとボリュームによって、何を目指すかということを本そのもので体現するかのような書籍。なので、そのまんまな書名に反して、その内容を言葉にするのが難しい(読みきれないとも言う)。
牧野智和 2025 『社会は「私」をどうかたちづくるのか』、筑摩書房。
「私は一体どういう自分でありたい/あるべきか」という問いが社会的にもたらされているものであるということをテーマとしつつ、それを直接的に検証するよりは、その問いを社会学がいかに読み解いてきたかを解説することに主眼が置かれている。第1章が量的調査、第2章が学説史、第3章が現代社会論、第4章が先行研究をふまえた著者の研究紹介、第5章が質的調査と、社会学のアプローチを理解するための切り口が一冊の中にまんべんなく収まっている。
田中大介 2024 『電車で怒られた! ── 「社会の縮図」としての鉄道マナー史』、光文社。
日本の鉄道はとりわけ秩序が守られているにもかかわらず、どうして乗客はマナーに神経質なのか、その規範意識の成り立ちを辿る。資料からの引用でも「社会の縮図」というキーワードが頻出するが、議論としては社会反映論というわけではなく、どちらかというと公共空間としての鉄道のありようが積極的に日本社会を形作っていったと見立てている感じか。
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