2024年4月に購入した本。
出口顯 2024 『声と文字の人類学』、NHK出版。
音声中心主義批判を大まかな軸として、文字と声の相互作用を読み解いていく。古今東西のネタの縦横無尽ぶりがすさまじい。
佐藤康邦 2024 『絵画空間の哲学 ── 思想史の中の遠近法』、筑摩書房
1995年刊行の単行本の文庫化。ルネサンス期に成立した遠近法を、歴史的・文化的により広範な空間表現の問題の中に置き直していく。比較芸術学的な展開も視野に入れつつ読む。
玉川博章(編) 2024 『「同人文化」の社会学 ── コミケをはじめとする同人誌即売会とその参加者の織りなす生態系を描く』、七月社。
即売会を中心とした同人文化がいかなる意味で「同人」と言えるのかについて、ファン文化やアマチュア文化へと還元することを慎重に避けつつ、論者ごとの切り口の違いによって多角的にとらえようとしている。個人的には、生産活動と消費活動がいかに交錯していくかという点に関心がある。
中村公輔 2024 『DTMミックスのコツが一冊で分かる本』、リットーミュージック。
スタイルごとのサウンドの違いという言語化しづらい要素を、DAWのエフェクト用プラグイン(ほとんどはハードウェアのインターフェイスを模している)の画像をふんだんに取り入れることで可視化している。本格的にミックスを仕上げるための教科書とは違い、ちょっとした特徴を再現しながら耳でとらえる訓練にも使えそう。
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